再演舞台「DRAMAtical Murder」をみたよ


去年から継続的にBLゲームをやっている。

そしたらたまたまプレイ予定だったドラマダが舞台で再演するというではないですか!

ドマステは原作のファンからかなりの支持を受けていると聞き、4月下旬の段階でまだチケットも買えるよ~とのことだったので行ってみました。

 

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※当記事は原作ゲーム、追加ディスクドラマダリコネ、ドラマCD全キャラ分履修済みの人間が書いております。全編に渡ってネタバレです。

※当記事に引用している写真は撮影可能なカーテンコールの時間に撮影したものです。

※2023/5/24 追記有  公演後の記録とか

 

 

わたし以前はともかく実はあんまり2.5次元舞台は見ないんですよ。なので役者のことも制作の人のことも全然しらないし、最近はなにかとステだミュだってなっちゃって、もう追いかけられないよ、くらいの熱量しかないんですよね。

で、原作18禁ゲームでしょ?年齢制限のない舞台で原作の良さが表現できるの?BL原作のドラマとかタイBLとか、今男同士の恋愛モノ実写版がわんさか作られているのに、今更舞台でキスシーンとかみて興奮できる?くらいに思っていたんですよね。

 

 

 

結果。

めっちゃ興奮した。

興奮しすぎて、ウイトリと紅雀ルートの配信追加で買った。

 

 

 

キャラが、キャラがそこに存在している〜〜!っていう高揚感は2.5ならでは。

極限まで原作を凝縮し、しかも全6ルートという分岐ありすぎな脚本。

毎公演怒涛のようにSNS流れてくるカテコ撮影会の様子。

舞台という時間と表現の制約があるので、どうしてもストーリーの駆け足感が否めないし、一部キャラはリコネとドラマCDに最高エピソードがあるのでこれだけだとどうしても物足りなさを感じてしまう部分がある。

っていうか、ミンクだよミンク。紅雀とノイズが日々蒼葉とのキスマウントを取りまくっている横でキスひとつできずに終わってしまうミンク、かわいそうすぎない?もしリコネ公演が実現したら私は絶対ミンクルートを見るし、MilkyWayが流れる中、ミンクの愛で飾られた蒼葉ちゃんをこの目に焼き付けるよ…。

 

と色々気になる点はあるものの、原作の良いところを演者・スタッフ全員が大事にしてくれて、年齢制限をかけなくても楽しめるようにと作ってくれたことは伝わってきました。

10年近く前のBLゲーム、しかもアダルト向け。男性たちが作る/演じるにはクソほどハードル高いだろうなと思うし、プレイヤーの自分だって正直『こんなインモラルゲームばっかりやっちゃってまあ…』と頭をよぎる瞬間があるのに、そんなことは全然問題にもせずそれどころか愛を持って舞台を作り上げてくれたことは本当に嬉しい。

原作ゲームもドマステ効果でじわっと売れているようですし、ハードルの低い舞台という形で作品に新規のファンを呼び込むという手法は良い手法なのではないかなと思います。

10年以上、ドラマダとニトキラ作品を好きでジャンルの灯りを絶やさずにいてくれた、ニトキラ民のお姉様方にも感謝の気持ちを捧げたいですね。

本当にありがとうございます。なんか知らんが勢いでLamentoも買いました。

 

 

 

以下、本当にねっとりした感想

 

 

 

土屋直武くんがかわいすぎてどうにかなりそう問題

正直な話、私がドマステを現地で見ようと思った最後のひと押しって彼なんですよ。

皆さんご存知の通り、土屋くんは公演1ヶ月前に決まった代役の方。申し訳ないけど私は顔も名前も知らなかった。そして急遽決まった土屋くんは、公演メインビジュアルに写真もなければ、自分のグッズも全部は出してもらえなかった。

そんなことある?主役なのに?

誰が悪いわけではないけど、そんなのあんまりじゃん。え?なにリセールが出てチケットまだある?そんなら見にいってやろうじゃん!と急遽休みを調整し、わたしもめでたく品川=プラチナジェイルへ旅立つことに決めた。

そして迎えた5月2日の紅雀ルート。

いや、かわいいかよ…。

目が大きい!顔がちっちゃい!体格差!声が綺麗!!(蒼葉役最重要ポイント)

笑った顔めちゃかわいい、そして横顔が綺麗…

蒼葉の彼氏*1はかっこいいが、そんな彼氏たちがメロメロになっちゃうわけだわ…やば…蒼葉ちゃんかわいい…と見事に語彙力をクラッシュさせられて帰ってきました。そして気がついたら『やっぱり泣いてる顔も見たいな』などという欲望のままにウイトリの配信も買ってました。暴露の力すご。

ウイトリルートやばかったです。

あんなにいやらしい手付きでベタベタ気持ち悪く触られてるの、18禁BLゲームとしては大正解だし忠実に作っているんですけど、これ本当に上演許可おりたんですか?

なんでもいうこときくから!って叫び声と、別ルートだとキラキラ輝く笑顔が嘘みたいに死んでいるのがあまりにもかわいそうで仕方なかったです。

よく演ってくれたよ…

ウイトリの役者お二人もすごかったよ。直近の戦隊から来てるファンの方をちょくちょくお見かけしたんですけどどうだったんですかねウイトリルート。ちゃんとたのしめたんですかね。

 

かわいい蒼葉に脳内クラッシュ! 五感をフル稼働させて楽しむ脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック,ゲネプロ公演レポート

 

急遽まわってきた主役、全6ルート分の脚本、性描写と非道徳行為もりもりのBL舞台、10年以上ファンのいる作品、しかも再演…。考えるまでもなく重圧だったと思いますが、土屋くんは結局ぜんぶこなして千秋楽を迎えました。

しかもどうやら蒼葉役はオーディションで、土屋くんの他にも候補がいたとか、今蒼葉を演れるのは自分しかいないからと言いながら頑張っていたとか…。

何その運命力…。迫り来る逆境を、魅力ある男たちと手を取って走り抜ける様は、正しくBLゲームの主人公の姿そのもの。

好きにならないわけがないじゃんこんなの!!と思いながら、気がついたら紅雀ルートの配信を買っていました…。

土屋くん、改めてお疲れ様でした。そしてありがとう。

公式は今からでもいいからグッズ出してあげなよ一番の功労者でしょ。

再再演があるならぜひ見たい。彼の、土屋直武くんの蒼葉がみたい。今度は永田蒼葉も一緒がいいね!

 

 

【5/24 追記1】

祝!土屋蒼葉のグッズ追加!!めでてえ~!!!そしておそらく史上初揚げドーナツのアクスタ!!

いやもうこれ公演中に毎回揚げドーナツの日替わりコントをやってたという事実がなければ産まれなかったグッズじゃん。いや~ほんとうに良かった。

『僕の蒼葉をたくさん愛してくださったからこそ』と演じた本人は言うかもしれないけれど。いやいや。それは貴方が頑張って、主演として素晴らしい舞台を届けてくれたからこその結果よ。っていうか、貴方が一番頑張ったからよ。っていうか、笑顔にあんまり自信なかったってマジ?嘘でしょ。笑顔最高に可愛かったが??(笑え、とアドバイスしてくださったnkysk先生ほんとうにGJ。先生のおかげでまたひとつ世界の宝が産まれてしまいました)

こちらこそありがとう。本当に楽しいGWでしたよ。

 

 

 

令和に大優勝 最高の幼馴染彼氏・紅雀

ラマダはマルチエンド形式のゲームなので蒼葉ちゃんの彼氏は複数いるわけですけど、今回、2023再演ドマステにおいて、一番 蒼葉の彼氏だったのは紅雀だったと思うのよ。

どう?どうです?もちろん自分が現地で生でみたから贔屓もあるかもしれないけど、でもさあ。やっぱり優勝は紅雀じゃない?

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大事な公演初日を任され、公式カメラマンによるラブシーンが映像、写真で残される。後味最悪のウイトリルートの次の公演として全3回中2回上演されている。#絶望する蒼葉にLIGHT ON してぶっ壊れた情緒の口直しこれでしてね!!といわんばかりのスケジューリング。*2

そしてなんていったって主演の土屋くん=蒼葉のお気に入りルート。

事前の取材で土屋くんは『紅雀ルートが好き』っていうのを度々公言してるし、千秋楽でキスシーンもアドリブで追加しちゃったし、カテコ挨拶で『紅雀ルートが好きだって言ってた』ことを暴露されるし、そりゃあ他の彼氏がジェラってやべえ空気になるわ!(紅雀ルートカテコ挨拶。すごい良い流れだったミズキさんほんとうにありがとう嫉妬するノイズまじ解釈一致)

そういう主演の気持ちも汲んでか、紅雀役の小波津亜廉氏もすごく優しく演じてくれているのだろうなというのがばしばし伝わってくるお芝居でした。蒼葉ちゃんに触れる指先とか、床に押し倒す最後の瞬間まで優しいもん紅雀。この記事も紅雀ルート配信みながら書いてるんですけどね。1:28:00くらいからのシーン無限にみている…。

 

繰り返しますが、このゲームはマルチエンド形式。観客それぞれの推しキャラや贔屓の役者がいる中で、ひとりを好きって言っちゃうの、いらん争いを呼びそうで大丈夫かなと心配になりました。

でも、舞台演劇って役者という感情のある人間がお芝居をやっているわけなので、そこに役者の感情が乗って来るのは仕方のないことだし、それだけ真剣にやってくれているということなので、良いことだよなと思います。そしてそういう、原作と役者の本来の感情から生み出される『なにか』が2.5次元舞台の旨味でもあるわけです。

自分はいいもんみたなーと思うし、皆さんの感想もそんなかんじで嬉しい限りです。そうだよねウイトリのド直球の暴力をその身に受けたら、本当に大切に触れてくれる紅雀のこと好きになっちゃうよ。キスもおかわりになっちゃうって。うんうん。

『彼氏でよかった~~!!』って我々も思っているよ小波津くん。

主人公総受のBLゲームだもん。

受けチャンの笑顔は世界の宝だし、それを引き出してくれた貴方は最高の彼氏です。

 

 

紅雀ルートって『幼なじみの優しい男と、色々危機を乗り越えて、告白されて、想いが通じ合って、幸せにキスしてエンド』っていう、他と比べて物語のカタルシスが薄いというか、いわゆる普通、なわけですよ。

自分も最初に紅雀ルートをプレイしたときは、直前にやってたのが幼なじみへの片想いが拗れて何度も死なれたり辛辣な言葉ばっかり投げつけられるBLゲー*3だったので『紅雀、幼なじみ片想い属性なのに途中なんもおこらないしなんか物足りない…』くらいの感覚でした。

けどドラマダのプレイを進めて行くうちに、気が付いたんですけど

 

紅雀、隙あらば殴ってきたり拉致監禁してこようとしてきたりする彼氏たちのなかで、唯一、BADエンドにおいてさえ蒼葉に非同意の暴力を強いてこない男なんですよ。

 

プラチナジェイルでのやつは刺青のせいなのと未遂なのでノーカン、BADエンドは白葉様が『いいよ』っていってるからいいということにしたい。

とにかく、店にはサカった男からのセクハラ電話がかかり、道を歩けばカツアゲに遭遇し、刑事が非武装の民間人に発砲し、謎の企業が怪しげな研究をしている限界治安・碧島で!

 

唯一!!

紅雀だけが!!

どんなときでも蒼葉に優しい!!!!

 

 

相手の彼氏によってその後の蒼葉の運命は変わっていくわけですけど、紅雀は最終的に碧島に自分の店を持って、ずっと蒼葉と碧島で生きていくことを誓ってくれるじゃないですか。みんなが認める色男で、その生い立ち故にひとところに留まることができなかった紅雀が、蒼葉の為に、碧島に骨埋める覚悟をしてくれるって…。

自分のこれまでのルーツや家族や友人たちを大事にしてくれて、これからも変わらない日常を約束してくれる。これがどれほど難しくて尊いことなのか、そこそこ人生をやってきた今だからこそ理解できる。

普通だなんてとんでもない。最高に優しくていい男だよ、紅雀

交際であれセックスであれ、相手の同意をちゃんと取って進んでくれるの、令和日本における理想の彼氏像じゃないですか。えっ?このゲーム10年以上前にでてるの???

うそだあ。

 

 

ここまで書くと私がすごい強火の紅時雨の女みたいになるんですけど、ドラマダはどの彼氏にも違った良さがあるんですよ。

役と素のギャップが凄すぎるノイズ(ハイキック、あれ本人的にはハイキックじゃなかったって何事)、

原作への解像度が出演者の中で1番高そうなクリア(次見るなら絶対クリア)、

立ってるだけで存在感あるミンク(ほんとにリコネ公演なんとかして)、

ウイトリでへし折られた続きの話がめちゃくちゃ見たい蓮(山崎くんも演技うますぎる)

と、全部面白そうで困ります。

配信期間一週間は短すぎる!!恒常配信して!!

演者さんたちの様子を見てもこの後なんか色々ありそうな雰囲気がありますし、まだまだドマステで楽しめそうな感じですね。

 

【5/24 追記2】

インライより

・土屋くん 小波津氏の車で送っていってもらっていた

・キスシーンの練習 最初の相手は紅雀だった

というエピソードがご披露され、おたくはまた悶絶しました。

仕事終わりに紅雀(役)の運転する車で送って行ってもらう蒼葉(役)、解釈が一致すぎませんか。最近の若手はこんな所まで役作りするんか…?わたしほんとうに全彼氏全員すきなんですけども、紅雀さんが優勝すぎるし、これ紅蒼に萌えないほうが無理ではないのか。この追記もドラマCD聞きながら書いてるんですけどさ。紅雀ルート、こんなに噛みごたえあるルートだなんて思わなかったよ…。

リコネ公演、みたい。私はリコネの桜舞い散る窓辺で肩を寄せ合うふたりのスチルといとうかなこ(神)の歌が流れるシーンがめちゃくちゃ好きです。

 

 

 

 

最後に。

みんな原作買ってくれ。

現場1公演分のお値段で本編もリコネも遊べるぞ。

 

 

 

*1:攻略対象たちのこと。

*2:3回中1回はノイズルートだけどこれも大正解だと思う。ノイズも幸せに終わる

*3:古書店街の橋姫。名作です