現役コスプレイヤーが魔都・渋谷のハロウィンで更衣室を運営してきたよ
もう一か月近く前のことになりますが。
去る2016年10月29日、30日に、こちらの企画のお手伝いをしてきました。
超有名アニソンレイヴイベント『リアニメーション』さんの企画でして、
ハロウィンの渋谷に更衣室とクロークを設けるので、
他所様に迷惑をかけずにハロウィンを楽しもうぜ!
という趣旨のものです。
ハロウィンといえば、皆さんご存知の通り近年凄まじい盛り上がりを見せているイベントで、経済効果はバレンタインを超えたなんて報道もありました。
ですがその盛り上がりの一方で、
・公共の、あるいは商業施設のトイレでの長時間の着替え・メイク
・路上に放置されるゴミ
・多数の人が集合することによって引き起こされる道路の混雑・封鎖
・ウェイなパリピが騒ぐことによる治安の悪化
・そもそもコスプレを家から着て、公共交通機関を利用するのはマナー違反なのでは
などなど、数えきれないほど問題が吹き上がり、学級会が繰り広げられているイベントでもあります。
具体的に何をしていたのか
DOGENZAKA 更衣室で行っていたサービスは主に2つ。
- 更衣室&メイクスペース(1人につき500円)
新築のダンススタジオを利用しての、更衣スペースの提供。
全身がうつるでっかいダンス用の鏡の前で着替え&メイク
渋谷駅に臨時で設置された更衣室が10分以内の時間制限がついていましたが、こちらでは特になし。
納得が行くまでおきがえ&メイクOK!(実際4時間くらい中にいる人もいた)
室内だから暖かいし、明かりもついてる。
ゴミも回収します。
トイレも新築なのできれい!
- 荷物の預かり(荷物1つにつき500円)
簡易コインロッカーだと思っていただければよいです。
規定のサイズのビニール袋に荷物が全部入り切れば一個カウント
預かりは30日の23時まで。
なので土曜日に預けて、そのままオールナイトで遊んで、
始発と共に荷物ピックアップでも可。
荷物は24時間スタッフ待機の部屋の中で管理。
当日の様子
特に問題もなく終わったのではないかと思います。
途中で何社もテレビの取材が入ったり、渋谷区の方が視察に来ていたのが印象的でした。
最終的な利用者の人数とかは私も知らないんですけど、
利用者のほとんどがコスプレイヤーじゃない一般の人、とくに普段コスプレとかしない、今年初めて仮装します!みたいな人だったのが驚きでした。
(更衣室にお金出す感覚が非レイヤーに通じるのかと思っていたので)
我々の団体以外にも、ドンキホーテさんや、渋谷区も更衣室を設置したり、自宅からの着替え推奨のアナウンスもずいぶんされていたようですし、
去年や一昨年に比べたら、グッと良い環境になってきたのではないかと思います。
来年以降も、同じような試みはたくさん行われるでしょう。
もちろん、まだまだ問題がすべて解決したわけではないですし、この先もまた新しい問題が浮上してくるかとは思うのですが、
この日本流の新しいお祭りがなんとか上手い形で定着してくれればよいと思いました。
来年もこういう形でお手伝いができたらいいな。
以下。
ハロウィンとコスプレに関する個人的な意見。
『トイレで着替えない!メイクしない!!ゴミ捨てない!!家から着てこないなんて当然!!そもそも誰に許可とったわけでもないのに路上でコスプレするなんて言語道断!!そんなルールも守れないパリピ(笑)たちが、ハロウィンにかこつけてバカ騒ぎしてる!!自分たちがどれだけ周囲に気を使っていることか!!ふざけんな!!リア充死ね!!』
という気持ちはわかる。
痛いくらいわかる。
というか、私も毎年同じことを思う。
でも、この気持ちは、この怒りは、リア充たちに対する、的外れな嫉妬で、単なる八つ当たりだ。
ゴミを放置することや、路上で騒ぐこと、着替えてはいけない場所で着替えたりすることは、リア充であろうがコスプレイヤーであろうが関係なく迷惑であるからやめるべきであるし、路上でコスチュームを着ることについても2016年の渋谷において禁止されているわけではないからだ。*1
今回この企画を手伝わせてもらって、たくさんリア充、パリピたちと接した。
彼ら/彼女らは普段コスプレなんかしないし、衣装?さっきそこのドンキで買ってきました!みたいなノリなんですけど、
友達や恋人と思い思いのコスチュームを着て街に繰り出していく姿が本当に楽しそうだったし、
やれ化粧がどうだカラコンがどうだ、レイヤーとカメコの関係がなんだかんだなんて言ってる自分たちよりも、ずっと自由で、羨ましかった。
真剣にやってるからこそ、衝突や、学級会が喧しくなってしまうんだけど、
でも根っこの気持ちは、楽しいからやってるし、続けているんだよなあ。
今回、このブログを公開するまでに1か月近くかかってしまったのも、その辺のもやもやと上手く折り合いがつかなかったからで、
そのへんのもやもやをのことを考えると、どうしても最近の界隈を糾弾するような物言いになってしまって、自分も他人も楽しくないような文章になってしまい、それでああでもないこうでもないしているうちに、ついにこんな時期になってしまったというわけでした。
それに携わる人口が増えれば、その分困った人や事件にぶち当たってしまう確率は高くなっていくと思うんですけど。
なるべく、自由で、寛容で、年齢とか性別とか関係なく、どんな属性の人でも楽しむ余地のある界隈であってほしい。
要するにこれに尽きる。
コスプレに限らず、昨今はなんでもそうなんですけど。
勇者ヨシヒコの仮装をドラクエ5の主人公と間違えてしまって、
その節は本当に申し訳ありませんでした。